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Stroly Map Creators Interview vol. 4-1

地域の魅力を発信するマップクリエイター!奥西しろさんにインタビュー 前編

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京都で唯一の村こと、南山城村。お茶の産地としても有名で、自然豊かな山あいから見える茶畑はどこも見事。

今回はそんなステキな場所で、デザイン業を営みながらStrolyにたくさんの地図をアップしてくださっている奥西しろさんに、地図製作や地図への思いについてお話を伺ってきました。

【どんな人?】

ー それではさっそくなのですが、イラストを描くようになったきっかけを教えてください。

幼稚園の時から絵を描くことが好きでした。
小学生の頃から高校までは漫画家を目指していました。
実際に原稿用紙に描いて、出版社に出したこともあるんです。全然通りませんでしたけどね。

その後、進路を考えた時に絵が好きという理由で、美術大学のデザイン科に入ったんです。

ー 大学はどちらの大学に行かれたんですか?

東京造形大学です。出身が横浜なので、実家から通っていました。
大学に入ったのはいいけどあまり好きになれなくて、辞めようと思った時期もありました。
「もっと上手い人がいるのに、なんで自分はデザインをするんだろう」みたいなことを悶々と思っていて。

でも三回生の時に面白い授業と出会ったんです。
編集デザインという授業です。「ワークショップしながら本を作る」という内容で、「人と交流しながらモノを作るって面白いな」って。そこからまたデザインに興味が湧き始めたんですよね。

あと大学が好きではなかったので、東京の下町とか色々な町を歩いたり、写真撮ったりしていました。
元々「まち」に興味があったんです。

ー そのまち歩きはお一人でですか?

そうです。一人でふらっと、もう趣味ですね。そしてその頃かな、憧れとなる方に出会ったんです。
梅原真さんという高知のデザイナーさんで、主に一次産業のデザインをすることで地域の魅力を届けている方です。
地域の風景を残すために、商品をプロデュースする仕事があると知った時に「私もこういう仕事がしたい」って思ったんです。

ー じゃあ本当にきっかけになった方なんですね。それはいつ頃なんですか?

19歳とか20歳のころかな?
それで地域に入りたいと思って、大学4回の時に地域づくりインターンっていう国交省のプログラムがあって、夏休み中に大学生を色んな地域に派遣するというプログラムに参加しました。

ー そのプログラムではどちらに行かれたんですか?

熊本県の氷川町です。最初は夏休みの2週間だけだったんですけど、その後も定期的に通って、地域の人と竹の伐採のお手伝いをしたり、ミカン農家さんに話を聞いてお歳暮のチラシを作ったり、生産者のおばちゃんの似顔絵を消しゴムハンコにしたりする中で「地域にこそデザインって必要なんだな」っていうのを強く思ったんですね。
地域の良いものとか、人の想いを届けるのに、デザインは「役に立つ」って体感したので、そこからデザイナーを目指しました。

ー 普段の生活の中でのインスピレーションはどんなところから得ていますか?

今は村の風景ですね。実際に見て感動して「あ、伝えたいな」って思って、形にするようにしています。
例えば、「わたしのマチオモイ帖」ってご存知ですか?3年前から「みなみやましろ村帖」という冊子にして、作品展に出しているんです。
今年で3作目になるのですが、一作目はざっくばらんに「南山城村ってこんなところですよ」ということを紹介をしました。
二作目は「暦」、今年は「方言」をテーマに作ったんですよ。これからも毎年テーマを決めてやろうって思ってるんです。

ー やはり、イラストがあると見え方が全然違いますよね。

そうですね。写真でもいいんですけど、自分が絵を描く人なのでイラストで作っています。

ー 先程子どもの頃から色々なことに興味を持ちながら大人になったというお話がありましたが、現在はどんなことに興味を持っていますか?

今は子どもですね。子どもはまだ小さいんですけど、大きくなったらこの辺の探検地図作りたいなとか、マチオモイ帖も一緒に作りたいなと思ってます。
これから子どもと一緒に何をしようかなという感じです。

ー すごくいいですね。その探検マップもできたらぜひ見てみたいです。

ありがとうございます。またできたらStrolyにのせますね。

ー 地図を描き始めた時期というのは大学時代ですか?先程お話に出てきた熊本の時ですか?

いえ、大学の頃から地図が好きで山のように収集してたんですけど、実際に描き始めたのって社会人になってからですね。
大学を出た後に、福岡県の草木染めの工場に1年程入って、その後京都の会社勤めたんです。
その会社のデザイン室が社員の誕生日に何か作って贈る風習があって、その頃から地図を作り始めたんだと思います。
で、それが、これかな?

この誕生日の人が食べ歩きが好きな人だったから、他の社員さんからオススメの店を聞いて、京都のクチコミグルメ本にしてあげたんです。
地図として作ったのはこれが初めての気がします。

この地図は消しゴムハンコで作っていますね。

ー ハンコを使うことは多いですか?

多いですね。
デザインの中でよく使います。

【地図へのこだわり】

京都の会社員時代に「モーネ工房」という学校に3年間通っていました。
そこはプロのクリエイターだけではなく、普通のOLさんや主婦の方が来て生活に活かせるデザインを学ぶ場所で、紙・布・陶芸など色々作りました。
3年生の最後に卒業制作展があるのですが、その卒業制作のテーマが「架空のお店をつくる」で、私は「旅行代理店」にしました。
この時には既に47都道府県全てに行っていて、日本の魅力を伝える展示をしようと思って、各地のお土産で日本地図を作ったり、各県をイメージする写真に思い出を書いたり、あと旅の思い出の本を何冊も作りましたね。

岩手の盛岡をお散歩した本は 写真と地図で絵本風に、鹿児島は繊細ではない雰囲気だったから荒っぽい表現にするなど、地域ごとの雰囲気をイメージしてデザインしています。

ー なるほど。エリアごとに雰囲気を変えているというわけですね。それもこだわりの一つですか?

はい、こだわってますね。
「地域らしさをどう表現するか」っていうのは、すごく大事にしたいなあと思っています。

ー 他にも何かこだわってることとかってありますか?

やっぱり「行きたくなるか」ですね。
ワクワクするような地図を見ても、行動してもらわないと意味がないなと思うんです。
地図を見た人が「実際に行ってみたい!」と思って、足を運んでくれるようなマップを作りたいですね。

ー 例えばですが、ワクワクさせるようなマップに必要な要素ってなんだと思いますか?

うーん、「自分事」じゃないでしょうか。
自分が行ってないところってなかなか描けないと思うんですけど、自分が行って、肌で魅力を感じて、「ああ、ここすごく知ってほしい」って思って描くのは大事ですね。

そして、2016年から絵日記を描き始めたんです。
些細なことでも1日一枚なにかを描いてインスタグラムにアップしてました。

ーイラストで描いていると後から見返したくなりますね。それに自分の記憶の中にも残りそう。

はい。こんなことあったなーとか思いますね。
今は育児日記もやっていて、日常の絵日記は印象的なことがある時にだけ描いています。
基本はこの無印のノートに描いてるんですけど、最近手狭になって普通のコピー用紙に描くようになりました。

これは今年の夏に行った石川の地図(石川トラベルマップ)です。

ー 思ってたよりも原画のサイズ感が小さかったです。

ちまちま描いちゃうんですよ。

ー これもボールペンで描くことが多いですか?

普通のペンですね。シグノのペンです。
だいたい4本使って、0.5、0.28、0.38、太字。わりとシンプルですね。

ー なるほど、描くものによってペン先の細さを変えると強弱が出るんですね。旅行は結構行かれますか?

独身の時は結構行ってたんですけど、結婚してからは回数は減ってますね。年に2回ぐらいかな。

ー 旅行に行かれた時は毎回地図を描かれてるんですか?

旅行だけではなく日帰りでも、どこかへ行ったら描きますね。
祇園祭の地図もそうです。

ー 仏光寺通りの辺りが歩きやすいとかっていう情報が載ってて良かったです。独自の視点というか、ほしい人にはほしい情報だなと。祇園祭なんかは特に人が多いので。

誰かの役に立てばいいなと思って描いてますね。
特に子連れ旅行系は「こんなところあるんだ」ってママ達の参考になればいいなって思います。

ー これも一枚描くのに1日くらいですか?

2時間ぐらい?

ー 早いですね!

なるべく時間をかけたくないんですよ。逆に根詰めるとしんどくなってしまうので、絵日記にはそこまで力入れないようにしています。

ー なるほど。地図を描いててどういうところが楽しいですか?

形になったら嬉しいですね。
頭にあるイメージがちゃんと形になったら達成感はあります。

ー 逆にこういうところが難しいなというところはありますか?

場所によっては構図ですね。どう切り取るか。
石川の地図のように地形があれば割と描きやすいと思いますよ。

ー街の中はちょっと難しそうですね。あ、この象の鼻パークすごい気になっていました。

そうそう。これは地図とは言えない、ただのイラストなんですけどね。

ーいえ、地図です!

Strolyさんだとすごいラフに描いても地図になるっていうのがすごいなと思います。
緻密さがいらないのがいいですよね。

ー ありがとうございます。私も使っていてそう思います。お仕事とかで地図描く際も実際見に行かれて、その場所で見たものを描くという感じで描かれているんですか?

そうですね。
それに加えてさっき言っていたような、感動したことやアピールしたい部分は強めに描いています。

ーその強弱の付け方みたいなところが私はすごく下手なんですけど、コツみたいなものってありますか?

でも、実際に行っていたら、なんとなく優先順位ってできませんか?一番ここが楽しかったなとか。

ーなるほど。印象に残ってることを素直に出すっていうのがいいんですね。
集めた情報や、人から聞いた情報を頼りにというかは自分の見たものや経験したことというのをそのまま地図に落とし込むという感じですかね。

そうですね。特に初心者の方は「ああしなきゃ、こうしなきゃ」って思うより、実感を描いた方が描きやすいと思います。

・・・
そして話は後編へと続きます。
後編はコチラから:地域の魅力を発信するマップクリエイター!奥西しろさんにインタビュー後編

Stroly.comでは今回ご紹介した地図の他にも、奥西しろさんによるステキな地図を見ることができます。
ぜひご覧ください!

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