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地図から見る海外

部屋から出ずとも名所はめぐれる(3)

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デザイン地図の可能性に着目するStrolyが世界各国から収集したコレクションの整理について、ゲストライターの高野さんに書いて頂きました。
3回にわたりその模様を紹介いたします。今回は最終回となる第3回です。

こんにちは、高野鉄平です。

みなさんは海外旅行に行ったことがあるでしょうか? 僕はありません。
家族は修学旅行や新婚旅行で一度は国外に出たことがあるそうなのですが、僕だけありません。修学旅行は北海道。とくに海外に出るようなイベントもなく、大学ではむしろ日本国内を巡って研究を行なっていました。
もちろん、パスポートも持っていません。

一度も行ったことがないだけに、海外旅行には少し憧れを持っています。
死ぬまでに一度は日本以外の国に出てみたいと常々思っていますが、やはり国外に出るというのはハードルが高く、時間的にも決心的にも都合がつかないまま、海外旅行のガイドブックやテレビ番組を眺めて平成が終わってしまいました。

 

Strolyには、海外の観光地図もコレクションされています。その数約719点(2019年1月時点)。全ての国の地図が揃っているわけではありませんが、アメリカやフランス、中国などがあります。

海外の観光地図も、観光名所を紹介するという点で日本のものと役割は同じなのですが、中にはその国の特徴がよく出たものも。今回は、地図整理の中で見つけた海外の観光地図を数点紹介したいと思います。

 

 

イングランド・ロンドン観光マップ

最初にご紹介するのは、イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)はロンドンの観光マップ2種です。
写真左側、電話ボックスの表紙が可愛らしい『Map Easy`s Guidemap to England』は、ロンドンの地図のほかに、イギリスの「イングランド」にあたる地域の地図が載っています。
写真右側の時計台ビッグ・ベンが描かれた『Map Easy`s Guidemap to London』は、より詳細なロンドンの地図です。

 

イングランドの地図には、それぞれの町がどのようなところかを紹介する短い文章がビッシリと書かれ、これを読むだけでもイギリス(イングランド)の歴史と魅力が伝わってきます。

 

こちらはロンドンの地図。ハイド・パークやバッキンガム宮殿など、観光の目玉になるような場所は、イラストで大きく描かれています。
日本と海外の地図をいくつも見て、海外の観光地図は観光の目印になりそうな建物や施設を、地図上で大きく描く傾向があるように感じられました。日本は地図上に番号が多いような気がします。
地図の描き方にもお国柄があるとしたら面白いですね。

 

 

イギリス、エールの旅

続いてご紹介する『The ALE EXPLORER`S Tour of BRITAIN』もイギリスの地図ですが、こちらは観光名所ではなくイギリスの国民的お酒、ビール(エール)を紹介するというもの。
日本の食べ歩き・飲み歩き地図のようにお店を紹介するものと違い、こちらはビールの産地や種類を紹介して、好みの味を探すためのガイドマップのようです。道案内目的で使うのは難しそうですが、イラスト・写真つきでイギリス中のビールが紹介されているので、この地図をヒントにイギリス旅行というのも、お酒好きなら楽しいかもしれません。

イギリスではパブリックハウス(パブ)と呼ばれる社交場でビールを楽しむ習慣があります。そのため……

 

このようにパブに特化した地図もあります。
落ち着いたデザインで、大人の飲み物という感じですね。

 

 

フランス・パリ、クロワッサン地図

続いてご紹介するのは、フランス・パリのクロワッサンに特化したユニークな地図『Paris CROISSANT MAP』です。
パリのおいしいクロワッサンの店34軒が全文英語で紹介されていますが、実は作ったのは日本の料理研究家の方。

 

このまま部屋に飾ってもよさそうなデザインですが、実際に調査をして作られたということで、実用性も折り紙付きです。
また、地図の裏にはクロワッサンの歴史や種類についての用語集も掲載されており、読むだけでも面白く、ついクロワッサンを食べたくなってしまいます。
この地図を片手にパリでパン屋めぐりというのも、贅沢でいいかもしれません。

 

 

韓国、仁川観光案内地図

ヨーロッパだけでなく、アジアにも目を向けてみましょう。
こちらはおとなり韓国の仁川(インチョン)広域市の観光案内地図です。韓国は日本からも訪れる方が多いので、ばっちり日本語対応されています。

 

地図イラストの雰囲気や、施設を表す記号の使い方など、全体的な雰囲気が日本の観光地図と似ているような気がします。
海外の地図の中には、パッと見でどうやって見ればいいかわからない部分のある地図もあるのですが、この地図は日本の観光地図と同じように使うことができそうです。距離の近い国同士、地図の描き方にも何か近しい感覚があるのかもしれません。

 

 

地図以外の地図

最後に少し番外編として、Strolyにある、地図をデザインとして取り入れた身の回りの小物をご紹介したいと思います。

こちらはアメリカ・ニューヨークの地下鉄路線図……が、デザインとして使われているグラスです。駅名や通りの名前などもしっかり入っていて、本当に普通の路線図なのですが、その正体はグラス。形が変わるだけで、路線を表す青や赤のラインがおしゃれな模様に見えてきたのではないでしょうか。

 

こちらはポルトガルの首都リスボンの地図がデザインに使われているボトルです。
一見するとかわいらしい絵の描かれた普通のボトルですが、よく見るとテージョ川に架かる4月25日橋やジェロニモス修道院などがあり、しっかり地図になっているのがわかります。
普通の地図として見ても楽しげですが、ボトルになっていると、なんとなく冒険心がくすぐられる気がします。

 

 

以上、整理を行なった海外の地図から、数点をご紹介させていただきました。
Strolyがコレクションしている海外の地図は、点数的には日本の地図より少ないですが、国ごとの特徴を感じられるものが多く、整理をする中で行ってみたい国がどんどん増えてしまいました。

地図整理の様子と、そこで見つけた地図の紹介を行なってきたこの連載も、第3回目の今回で終了となります。ついつい整理を忘れて読み耽ってしまいそうになるStrolyの地図コレクションについて、その魅力や面白さをお伝えできればと思いながら書いてきました。
紹介できたのは本当にごく一部なので、みなさんにはオンラインマップ「Stroly」にこれからどんな地図が加わるのか、楽しみにしていただければと思います。

こうして記事を書いている間も、Strolyにはどんどんと新しい地図が集まっているようです。もしかしたら、またこのように場所をお借りして、新しい地図のご紹介ができる機会があるかもしれません(その場合、また整理で世界一周があります)。
お読みいただきありがとうございました。それでは、またどこかで。

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