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Stroly Map Creators Interview vol.7

ようこそ京都へ!マリア&セバスチャンにインタビュー-JPN

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エネルギッシュな雰囲気のマリアと、親しみやすい雰囲気のセバスチャン。Strolyユーザーのお二人は、プライベート、仕事共にアーティストとして活躍していらっしゃいます。

今回は、Stroly京都オフィスでお二人のマップづくりに対する思いや、これからの展望についてお話を伺いました。
知り合いではなかったお二人が、たまたま同時期に日本の京都を訪れると伺って、それではご一緒にどうですか?とお誘いして実現した奇跡のインタビューです。

インタビュー担当はメキシコ出身のエンリケです。
普段はStrolyのエンジニアですが、久々にスペイン語で会話ができる!と張り切ってお話を伺ってくれました。

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今回の旅行で、次のマップにできそうなアイディアは見つかりましたか?

はい!家に帰って落ち着いたら、ここで経験したことをまとめて描き始めたいなと思っています。
テーマも具体的に決めていて、高山について描きたと思っています。たまたま高山へ行った時にスタンプラリーがあって、参加してきたんです。設定された時間内に様々なお寺に設置されているスタンプを探し回るんですが、6つ以上のスタンプを集められたらカルチャーセンターで景品がもらえるという仕組みでした。

お寺の見所を廻るために作られたルートというよりは、周りの景色も楽しめるように作られていたのが印象的でした。それに、観光客用に決め固められたようなところではなくて、地元の人たちがおすすめしたい場所が紹介されていて、楽しかったです。

私は、東京にいた日数が長かったので、京都に来てようやくそれぞれの都市の違いが分かり始めてきたなという感じです。
行く先々やその途中で出くわす小さな「スポット」にグッとくることが多くて。隅の方にある小さな神社やお寺や、ひっそりたたずむ小さなカフェとか。

自分が「あーこれ好きだな、特別だな」と感じた場所について自分の経験談を交えながらマップをまとめたらすごく面白くなるだろうなと思ってます。

どちらのお話も素敵ですね。他の場所だったら経験できなかったことだと思います。
そいうことについて書かれたブログを読んだとしても、全く同じ時に同じ場所へ行くことができる訳ではないし、簡単に携帯を使って探せる内容でもないですよ。

そういったメッセージを効果的にユーザーに伝えるには、具体的にはどんなことをマップに含もうと思っていますか?

まさにそれを考えるために家に帰らないとなって思っています。
旅行中だと周りに情報が溢れすぎていて、うまくまとめられなくて。一旦家に帰って、見たり聞いたりしたことを頭から引っぱり出して、いろんな要素をはっきりさせていこうと思っています。
こういう感じにしたいな、というベースはできているんですが、具体的にどうするかは一通りそれぞれの要素について考えないと。今の段階では、全然おもしろそうなことを言葉にできる気がしません 笑

私も似たような感じです。家に帰ったら思い出を振り返りながら、それがどこだったのかを具体的な場所とリンクさせていきます。それから、ウィキペディアの記事や自分がその時は知らなかったような内容を調べて、その場所についてもっと学んで新しい発見をしていく。
マップをつくる時は、経験とリサーチという2つのパートに大きく分けています。そうすると、経験と得た情報とを照合させて、自分の経験をより客観的に捉えながらマップの構成を考えられるんです。

よく分かります。そうすると圧倒されずに作業に取り掛かれますね。

話が少し変わりますが、今Strolyでは「良い地図とは何か?」を探っていて、良いと思えるマップが持つパターンや要素は具体的に何なのかを考えています。マリア、セバスチャンはどんなマップが魅力的だと思いますか

そのマップがどんな目的で作られているのかにもよると思います。マリアが先ほど話していたお寺のスタンプラリーのアイディアを例にとると、お寺のイラストをどう描くのかというところにそのアーティストらしさが表れるんじゃないかな。経験を表現するテクニックの方が地理的な情報よりもずっとその人らしい感情やストーリーを伝られると思います。

他のケースだと、一つ一つの要素ではなくて、全体の構成に注目するもこともあります。
例えば、地理的にとても正確でユーザーを迷わせずに案内できて、さらに、Googleマップやオープンストリートマップよりも使っていて楽しいと感じられるようなマップは良いと思いますね。

マップとは何かという暗黙のルールをきちんと守っていて、さらに新鮮で興味がそそられるようなものということですね。

えぇ、もちろん!人を案内するのに使えて、Googleマップやオープンストリートマップよりもビジュアルが魅力的なマップですね。

私は個人的にディティールが細かいマップがとても好きなんです。
でも実際にマップを使うとなったら、正直、分かりやすくて簡単に探している情報を見つけられるようなマップが欲しいですね。
見た目がきれいでも道が細かすぎたり、情報があまりに多すぎて、この場所へはどうやっていけばいいのか?こっちなのか、あっちなのかって迷ってしまうようなマップもありますから。

例えば、昨日花街の一つの祇園へ行ったんです。お茶屋さんの情報が掲載されているマップをあるブログで見つけて、そのマップを使ってみたら、たくさんの芸舞妓を見かけることができました。そのマップが無かったら、こんな経験はできなかったと思います。
掲載されていた情報やその見せ方が素晴らしくて使いやすかった。欲しい情報をピンポイントで見つけることができました。他のマップだったら、難しかったと思いますね。

魅力的に見えるかよりも使いやさを重視したマップだったんですね。

うん、その通りです。でも、いちユーザーとしてはStrolyマップみたいな、見た目の魅力とわかりやすさを合わせもったマップってすごくワクワクさせられます。

えぇ、機能的かどうかってシンプルさと密接に結びついていると思います。
仕事でたくさん路線図を作るんですが、ユーザーが掲載されている情報に圧倒されて混乱しないように、いくつか削り取る必要があって。不要な内容を削ってシンプルにまとめるというのは、例えば地下鉄とか電車を使うようなシチュエーションでは重要なんです。

確かにそうですね。セバスチャンのブエノスアイレスのマップ、すごく好きなんですが、今見ていたら、おっしゃる通りだなと思いました。確かにノイズとなり得る情報がありますね。

ユーザーがどのタイミングで使うのかというのにもよります。政府関連で市の仕事をしているんですが、ユーザーが交通機関を利用するその瞬間瞬間で、彼らが抱くニーズは変化しているということが分かっています。旅行するときや電車に乗っている時に、たくさんの情報や詳しい情報って必要ではないですよね。

もちろん、そうですね。地下鉄の路線図には限られた情報しか載せられていない、それは乗っている時に景色が見える訳でもないから、調べたい駅の情報と乗り換えの情報があれば良いということですね。地上に出た時に、例えば乗り換えのバス停とか、次の目的地へのガイドが必要にはなりますが。

私は、最小限の情報という訳ではないけれど、周りくどくなくて、自分が探している情報へストレートに導いてくれるマップ。さらに、色が工夫されていたり、おすすめスポットが他とは区別されて描かれていると雰囲気のある魅力的なマップだなと思います。私は、そういうマップが良いなと思いますね。

まさに今おっしゃったようなことをStrolyは実現させようとしているんです。ビジュアルを使ってメッセージを伝えて、そしてそこにテクノロジーを組み合わせて機能的にする。

マップにはいろんな目的がありますよね。例えばユーザーの心を惹きつけることを目的とした感情に訴えかけるマップとか。京都のマップは歴史的な側面と街がもつ魅力を複合的に見せていて、他には見られないようなゴール設定があります。そうしたマップは芸術的で文化的意義がある。一方で、京都や東京の路線マップは違う目的設定がされています。良いマップというのはユーザーがその時々に抱える問題を解決できるマップだと思います。

全く、同意見です。ユーザーのニーズによる。そのマップを使って何がしたくて、どんな目的を達成したいのか。バスのルートを示すマップもあれば和菓子が食べられるおすすめを伝えるマップもありますしね。

お二人はなぜマップを作り始めたんですか?何がきっかけだったんでしょう?

僕はずっとマップが好きで。小さい頃は、何時間も地図帳を眺めていました。職場ではグラフィックデザイナーをしているので、マップを機能的なものとして見ています。

具体的な目的が設定されていて、そこにアートの要素だったり感情的で主観的な要素が含まれているような「もの」として。仕事で描くマップは交通手段がわからない人たち助ける路線図というはっきりと定義された目的があるので、個人的に好きで描いているマップには、もっと主観的で感情的な要素を盛り込もうといろいろ試し始めたんです。

私も同じです。好奇心旺盛なタイプなので、何か知りたいと思ったら本やマップを見て答えを探していました。ファインアートを学んだ経歴があって、動物園とウォーターパークのマップが私が初めて作ったマップでした。

機能的でありながらイラストの丁寧さも求められるマップでしたね。旅行をするのが大好きで、最近は旅先での経験をマップにしています。ノートに思ったことや感じたことを小さなマップにして記録しておくんです、メモみたいに。

そうしたマップって公開されているんですか?

公開していないものが多いです。ほとんどの場合、腰を据えてちゃんと情報を整理できてないので。主に水彩スケッチで描いていて、機能的というよりもイラスト重視のマップになりがちなんです。

では、次にアーティストとして、マップを描く時のモチベーションになることって何でしょう?どんな風にユーザーにマップを楽しんでもらいたいですか?どんな風にユーザーにアプローチしたいですか?

私は、その場所のエッセンスをできるだけ捉えて伝えようと心がけています。プライベートで作っているマップだと、その場所で自分がどんなことを感じたのかを共有したいですね。

例えば、ベルリンのチョコレートマップは叔母と旅行したとても大切な思い出がベースになっていて、そのマップを見ると懐かしい気持ちになります。そういう感情を他の人と共有したいな。そのマップは水彩画で描きました。一方、仕事で描くマップは目的があってスタイルが決まっていて、ベクターデータを使うことがほとんどです。カラーパレットもそのブランドの雰囲気に合うように選んでいます。

私も同じですね。仕事はデジタルがほとんどですが、暖かみをどうデジタルメディアで反映させるかを勉強している最中です。アルゼンチンのマップを描いた時はそのマップのゴールを「何か食べたい!って思わせること」に設定しまた。自分が持っているリソースや色をどう使ったら、よりリアルに見せられて、食べたいなぁって思わせることができるのか。アーティストとしてのテクニックやアプローチをふんだんに使いました。

マップを描くときに参考にしている本や参考書などはありますか?

自分が体験したこと、身近な食べ物、知ってる場所とか、経験や思い出を元に描くのが好きで、その時にもちろん、本とかウェブサイトを使って書きたい要素について調べます。描き始めはおぼつかない感じですが、それを少しずつ修正していきます。

路線地図を描く場合は、確立されたルートなどすでに知っている情報を理解して、どの情報を含むべきか、優先順位は何かを考えて、そうした情報を少しずつ混ぜ合わせながら作っています。マップの目的を決める時はもう少し専門的な知識が必要で、注意しながら、試行錯誤しながら作っていますね。描く時は、鉛筆でスケッチをして、構図を決めてからベクターデータにしています。

私はリサーチの段階がすごく好きですね。描こうとしている場所に関することをちょっとメモしておいて、家でその場所に関するイメージ図、情報、参考資料などを探します。

一旦、集めた情報全てに埋もれた状態になってから、彫刻作るときみたいに不要なものを削っていきます。
この作業が本当に楽しくて、マップづくりでは外せないステップだと思っています。コミッションベースの仕事では、この作業を飛ばして描き始めることもあるんですが、そういう時はマップづくりを最大限楽しめてないなと思うんです。

私はデジタルで作業をする場合でも、鉛筆を使ってスケッチをするところから始めます。そうすると、空間的な場所の理解が深まるんです。

水彩画の時は、消去したり修正したりできないので、それぞれの要素を個別に描いて、その後デジタルにしています。

お二人が初めて描いたマップって何ですか?

あっ、それ覚えてない!ちょっと考えさせてください…確か学校の宿題で家の近くのワンブロックを描いたマップだと思う、いくつか小さなお店と、自分の家と他にもいろいろ描いた気がします。

それまだ持ってる?

いや、持ってないと思う。でも、そこにあったスーパーを描いたのは覚えてる。

すごい!見つかったら最近描いたものと見比べてみるのも良さそう。

同じような質問ですが、お二人が一番気に入っているマップは何ですか?

市街地図です。リクエストがあって描いたんじゃなくて、需要があったから描いたマップでした。

ブエノスアイレスには地下鉄があるんですが、電車も走ってるんです。なのに、メトロと電車、両方の情報が載ってる公式の路線図がありませんでした。郊外からダウンタウンへ通勤する人が結構多いから、みんな欲しい情報だろうなと思って作って、それが公に使われるようになりました。

私は、仕事で初めて描いたカナリア諸島動物園のマップです。

それまでも、旅先でいくつかマップを描いたことはありましたが、そのマップを描いた時に、クライアントから特定のアングルで描いて欲しいと言われて試行錯誤をしながらデザインして。

このプロジェクトがきっかけでマップづくりに夢中になって、その後、個人的にイラストマップをたくさん作り始めました。でも正直、それがお気に入りだとは言えないな…今振り返って見て、え、うそっ!?って思うんです。ベストな出来ではないので。

そのマップってまだ動物園で使われているんですか?行ったら見られる?

はい、置いてありますよ、まだその仕事をしているので。ウォーターパークに関するマップも作ったんですが、もうこれは大違い!2つめのお仕事だったので、初めての時よりもっと満足できる出来になりました。

私のお気に入りは、いくつかあるんですが、どれもシンプルなスタイルのマップですね、ウェディングの時に使うマップみたいな、小さいけれど、とても思いがつまっているマップです。

では、Strolyについて伺います。すでにいくつかマップを上げてくださってるんですよね?

はい、クリエイターチームのサポートの方からエディターをどう使うのか教えてもらいながら自分のアカウントにいくつか上げました。

私は1つ上げてます。私も基礎的なことを教えてもらって、自分でアップロードしました。コツをつかむのに少し時間がかかりましたね。


※このマップは今年の春に公開いただいた新作のマップです

アーティストとして、現時点での目標は何ですか?

旅行のノートを作るのが大好きなので、コミッションをもらって旅行をして、その旅先でイラストを描きながらトラベルジャーナルを作りたいです。

私はイラストでポスターを描くのにはまっていて、旅行に関連したのを作りたいなと思っています。

どんなタイプのマップを将来作ってみたいと思いますか?使ってみたいテクニックについてでも良いですし、描きたいと思っている場所などあれば。

動植物を中心にまとめたアルゼンチンの公園の環境マップを作りたいです。

私は路線図関連のプロジェクトがいつくかあるんですが、トラベルノートに描いているイラストを使ったり、違うルートを示しながらチリを北から南に探検できる路線図を描きたいです、シベリア横断列車のような感じで。

Strolyのワークショップで、イラストマップを作ってみたいと思うけれど、どうやって始めれば良いか悩んでいらっしゃる参加者もいるんですが、そういった方に何かアドバイスはありますか?

イラストレーターの方に限らず、マインドマップを描くと何を描きたいのか、その方向性を探るに役立つと思います。

マップを描き始めようとしている人って、そのマップに入れたい全ての正確な位置関係がわからないといけないって誤解していると思うんです。でも、家はここで、パン屋はここで、学校はここでっていう風に、いくつかの物を最初に配置して、それを中心にマップをつくっていくとプロセスがぐっと楽になります。

多くの人にとってマップ作りってむずかしそうで、パッと見ただけで理解できるものではないです。ややこしくてマップを読むのが苦手な人だっているし。マップで自分の現在地を知ることって、思っているほど誰もができることじゃないんですよね。基本に戻ってできるだけ情報をシンプルにすることが大事だと思います。

まさにその通り。どんなグラフィックにするかを考えるのも物怖じするポイントかもしれないですね。

これだけの情報をどうやってここに入れたらいいんだろ?このアイディアをどうやって形にしていったらいいんだろう?って。ただ、そうして悩むうちに、だんだん自分の強みは何か分かってくるので、いい機会にもなると思います。

このイラストのスタイルはしっくりこないけど、こっちの方法ならできるかもっていう風に。マップはこうあるべきだっていう思いこみに縛られる必要もないと思います。その場所からもらったインスピレーション、抽象的でもいいので言葉や感覚、色。

どんな手段を使ってもいいので、何を伝えたいのかを明確にして、それを作品に反映させることが大切だと思います。

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今回インタビューさせていただいたお二人のWeb Site、SNSも要チェックです!ぜひご覧ください!

Maria Bombassat

Web site: http://mariabombassat.com/
Instagram: https://www.instagram.com/mariabombassat/

Sebastian Gagin(Studio Gagin)

Web site: https://www.gagin.com.ar/
Instagram: https://www.instagram.com/studiogagin/

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