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SXSW2020マッププロジェクト – Shinjiro Tanaka × Stroly

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こんにちは。Kaoruです。
世界的な混乱の中でなかなか安心できない日々が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

この新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが開催中止や延期になっている中、我々Strolyも出展を予定していたSXSW2020も開催中止となってしまいました。

SXSWというのはアメリカはテキサス州、オースティンのダウンタウン全体が会場となる1987年から毎年開催されている一大フェスティバルで、現在はMusic、Film、そしてInteractiveと3つの要素から成り立っています。
Twitterが2007年のSXSWをきっかけに世界に広がったりとスタートアップの登竜門となるなど、イベントでの反響は強力です。毎年3月の中旬ごろから約1週間にわたって開催されていたのですが、SXSWが始まってから34年、今年初めて開催そのものが中止となってしまいました。

このSXSWに合わせて様々なコンテンツを用意していただけに、思わず肩を落としてしまいましたが、このSXSW2020があったからこそ生まれたコラボレーションマップを今日は一つご紹介したいと思います。

そのマップがこちら。

『SXSW2020』


https://m.stroly.com/sxsw-2020/i#1582861572

このマップはSXSWの開催地であるアメリカはテキサス州のオースティンを描いていただいています。
オースティンはライブハウスの聖地と言われるぐらい数多くの名店があり、住人はミュージシャンはもちろん、アーティストも多く、街の壁には数多くグラフィティを見ることができます。そこにSXSWによって毎年FilmとInteractiveの風が吹き込むという、まさにカルチャーの中心地!
そんなオースティンの住人やSXSW参加者のツボに刺さるマップを作りたいという思いから今回、ストリートアートとのコラボレーションに至りました。

そして、このマップを描いてくださったのはアーティストのShinjiro Tanakaさん!
Shinjiro Tanakaさんは現在は東京を拠点に活動をされているアーティストです。
今までに、ミュージカルプロデューサーアシスタントやダンサーとしてNile Rodgers and CHICと共演。他にもアパレルブランドの立ち上げや、平成中村座NY公演出演など活動は多岐にわたります。

そして、2018年には初の個展“FACE”を開催し2018年末にはNYの路上にて30日間のライブアート活動を実施。2019年には個展 “NYC STREET ART PROJECT”の開催、またART BATTLE TOKYOでの優勝、ロンドンのギャラリーやストリートに作品展示するなど、かなり勢力的に活動をされています。


そして、彼の描く独特のラインアートはキャンバスの上だけではなく壁画やアパレル、デジタルアート、立体物などなど、その表現方法は多岐に渡り、音楽やダンスなどストリートカルチャーにも近しい彼に、マップの扉も叩いて欲しいとSXSWのマップ製作を依頼させていただきました。

Shinjiro Tanakaさんのクリエイティブの魅力のひとつとして引いて見たときと近づいて見たときの印象が大きく変わるところ。また、一つひとつの絵が連続的に描かれているところも大きな魅力の一つです。


そして、このマップも離れて見ていると一枚絵でクールな印象ですが、近づいて見てみるとピザやアイスクリーム、ギター、人の顔、AustinやSXSWの熱気などなど様々な要素が細かく描き込まれています。

(他にも沢山隠れているのでぜひ探してみてください!)

完成版見たときはプロジェクトメンバー一同驚きと感動と、まるで潜在意識の中にAustinの空気感を思わせるような熱気に圧倒され、これを実際に現地で使われているところを想像してはワクワクし、早くSXSWでお披露目したいと楽しみにしていました。

ではこのワクワク感の正体はなんなのか、その正体を探ってみます。

以前よりStrolyではマップのデザイン研究としてアートマップの可能性を探っており、その中でマップによってアートやデザインの見方を変えたりアートやデザインによってマップへの見方を変えアートやデザイン、そしてイラストマップがより身近に感じられるようにしていきたいという思いのもと、ワークショップなどを開催してきました。

この「それぞれへの見方を変える」というのは具体的にどんなことかというと、例えばあなただったらデザインマップを見るとき、又は美術館やギャラリーでアート作品を見るとき、心理的、身体的にどんな距離感でその作品と対峙するでしょうか。

わたし自身創作活動をしているので作品を作ることがありますが、いざ鑑賞者となると作者の方の真意やコンセプトを理解するのに時間がかかったり、作品との距離感が捉えきれないと感じることがあります。


しかし、マップという形になることで、頭で作品を鑑賞するのではなく身体的な経験として直感的に鑑賞することができるなら「アート=難しそう」という壁を破ることはもちろん、「アートが自分の一部になる」と感じることができるようになるのではないかと期待をしています。

もう少し言うと、マップになることで2次元の作品として鑑賞することもできるし、現地でStrolyを立ち上げるとその作品の中に現在地を表示させながら3次元的に鑑賞することもできると、今までよりも「身体」と「空間」と「アート」が強力に結びつくのではないか。というようなイメージです。

今回のShinjiro Tanakaさんとのコラボレーションマップでは、クリエイティブにしっかりと世界観がありパワーがあるからこそ、わたしたちが信じている「地図が変われば体験が変わり世界が変わる」「地図が変われば視点が変わる」という言葉を実感できるマップになったのではないかなと感じています。

一言で言い表すことは難しかったですが、このワクワク感は今まで読んでいただいたところから来ているのだと思います。
そういった意味でみなさんからのフィードバックをとても楽しみにしていたのですが、残念ながらSXSWが中止になってしまった為、すぐにフィードバックもらってこの記事でご紹介することは叶いませんでした。

ですが、来年のSXSW2021に参加される方はぜひこのマップでAustinの街を一緒に歩けたらと思っています!
その時は「街の見え方が変わったか」「発見があったか」「どんな感覚になったか」「マップやアートへの見方が変わったか」「どう変わったのか」といったことをぜひ私たちに教えてください!

SXSW2021まで待ちきれないという方は、この事態が収束して自由に外に出れるようになったらぜひこのマップでAustinの街を歩いてみてください。
その時感じたことや発見があればぜひTwitterFacebookInstagramでメッセージをお待ちしています。

それでは、1日も早く安心して穏やかな日々を送れるようになりますように。
またみなさんにお会いできる日を楽しみにしています。

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